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岩田準一・江戸川乱歩・竹下夢二の足跡を感じる場所  鳥羽みなとまち文学館 http://rampomuseum.com/minatomachi/

岩田準一・江戸川乱歩・竹下夢二の足跡を感じる場所  鳥羽みなとまち文学館

水族館に海や真珠、そして豊富な海の幸!三重県の鳥羽といえば、国内有数の港街だ。そんな鳥羽に隠れた名所がある。それは、日本を代表するあの小説家にゆかりのある場所。どうやら鳥羽は、文学の街でもあるらしい。

鳥羽みなとまち文学館

この施設は、「岩田準一と乱歩・夢二館」「幻影城 RAMPO」「乱歩館 鳥羽文化ギャラリー」「みなとまち文化館小路」という4つの施設で構成されている。それぞれ文学と関わりのある施設のようだが、1つずつ見ていこう。

江戸川乱歩館

日本における本格推理、ホラー小説の草分け的存在である江戸川乱歩。そんな乱歩ゆかりのスポットが「江戸川乱歩館」である。ここには乱歩が実際に使用した愛用品や挿絵原画の展示をはじめ、彼の生涯を解説したパネルや、作品をイメージしたジオラマなどが展示されている。

なぜ鳥羽にあるの?

しかしなぜ鳥羽で江戸川乱歩館なのか?実は乱歩は青年時代の一時期を鳥羽で過ごしているのだ。また、鳥羽は彼の妻・隆(りゅう)のふるさとでもあり、江戸川乱歩と鳥羽は深い関わりがあるといえる。

岩田準一と乱歩・夢二館

江戸川乱歩が愛した鳥羽の画家がいる。江戸川乱歩と中学からの友人であり、彼の作品に大きな影響を与えた人物がいる。それが画家「岩田準一」である。画家として乱歩の作品に挿絵を提供するなど交流の深かった2人。乱歩がたびたび鳥羽を訪れていたのは、岩田に会うためだったとも言われている。民族研究においても有名で、彼の記した「本朝男色考」は仏・英語に翻訳され、フランス・イギリスでも出版されている。

そんな岩田準一とはどんな人物なのか?どんな功績があるのか?生前彼が暮らした場所に、パネルや資料を展示し解説している。岩田準一の人物像や江戸川乱歩との関係などに迫ると同時に、大正時代の生活を色濃く残っているため、当時の生活にも思いを馳せることができる。

そして岩田準一と親交の深かったもう1人が、大正浪漫の抒情画家「竹下夢二」である。特に美人画が有名で、その抒情的な作品は「夢二式美人」と呼ばれ多くの人々から支持された。また文学作品の挿絵や広告宣伝物、日用雑貨などのデザインも手がけ、日本の近代グラフィック・デザインの草分けの1人にも数えられる。実は岩田はその竹下夢二に師事しており、岩田の画風に大きな影響を与えた人物の1人なのだ。施設には竹下夢二から岩田に届いた書簡も展示されており、当時の芸術家たちの息遣いを感じることができる。

幻影城

こちらは、乱歩がイメージした世界の一端を再現した場所。自らを「幻影の城主」と称した乱歩の頭の中を垣間見ることができる。中には、江戸川乱歩の妖しい世界を再現。中にある怪人二十面相などのコスチュームは自由に装着が可能だ!

外観は普通の土蔵

東京・池袋の乱歩邸には、乱歩がこよなく愛した土蔵がある。それは、十四畳ほどの広さで、内部には、書棚が巡らされ、膨大な数の本で埋め尽くされているという。この土蔵は「頭蓋骨に覆われた乱歩の脳そのもの」と呼ばれており、彼のインスピレーションやイメージのほとんどがそこにあったとも言われている。そこから転じて、乱歩の頭の中にあった「幻影城」を土蔵にしたんだとか。

みなとまち文学館小路

私が個人的に好きなのが、こちらの小路。戦後の復興を遂げた、昭和30年頃のまちなみを再現した小路となっている。特に何があるわけではないが、そこにいるだけで、何か幼い日にタイムスリップしたような、そんな気にさえなってしまう場所だ。

どんどんハイテクになり、変わりゆく日本。そんな中にあって、忘れがちな大事な何かを思い出させてくれるような、そんな場所だ。

まとめ

この時代に書かれた文学作品は、鳥羽を舞台にした作品は少なくないという。乱歩館では、乱歩の作品だけでなく「鳥羽を舞台にした作品」の解説コーナーもあり、新しい鳥羽の魅力を垣間見ることが可能。

真珠や海女ではない、「文学の街」としての鳥羽。少し興味が湧いてきませんか?

海女小屋 相差かまど

そうはいっても鳥羽の海女に会いたいという人はこちら!「海女小屋 相差かまど」

ココもポイント!

この施設の初代館長は、岩田準一の実の孫である岩田準子氏。実は彼女は2001年に乱歩と準一の関係を描いた長篇小説『二青年図 乱歩と岩田準一』で作家デビューを果たしている。事実に基づいた物語かどうかは定かではないが、岩田準一・江戸川乱歩・竹下夢二の恋物語でいわゆる男色もの。この作品を読んだ上で施設を訪れると、また違った見え方になるかもしれません。

EVENT DATA

江戸川乱歩館 ~鳥羽みなとまち文学館~ 施設情報

期間
休館日
火曜日、年末年始
※平日の入館は予約制
場所
鳥羽みなとまち文学館
(三重県鳥羽市鳥羽2丁目5-2)
金額
入館料 300円
公式サイト

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