「リバーズ・エッジ」二階堂ふみ、吉沢亮、行定勲監督らが、第68回ベルリン国際映画祭オープニング作品としてレッドカーペットに登場!
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若者たちの敏感な感情、ひずみを浮き彫りにする青春映画を多く生み出してきた行定勲監督の最新作の『リバーズ・エッジ』が2月16日(金)より全国公開となりました。
原作はこれまで世代を超えて熱狂的な支持を集め続ける伝説の漫画家、岡崎京子の作品の中でも、最高傑作との呼び声が高い、同名漫画。
公開直前の2月15日(木曜日・現地時間)に開幕した、世界三大映画祭のひとつベルリン国際映画祭のパノラマ部門に正式出品され、オープニング作品を飾り、二階堂ふみさん、吉沢亮さん、行定勲監督らがレッドカーペットに登場し、
その後行われた公式上映に観客と共に観賞。
その後行われたQ&Aに参加。
パノラマ部門は世界中からの良質な作品を集めた部門で、オープニングに邦画が上映されるのは2007年の山田洋次監督の「武士の一分」以来11年ぶりの快挙なのです。
今回の記事ではまず、公式上映会、その後のQ&Aの3人の様子を少しだけご紹介!
その後は名古屋で行われた先行上映会の様子もご紹介します!
レッドカーペット&Q&Aにこたえる3人
二階堂ふみさんは 日本のブランドUNDER COVERのドレスで登場
ファンの声援に応えサイン攻めに。
感想を聞かれると、「すごい盛り上がっていて、ベルリンに来ることが出来たと言うことを今実感していて、とても感動しています。」
吉沢さんも「楽しいです。僕は、映画祭自体というものが初め てで、街全体の活気もすごくて、楽しい経験をしているな、と思っています。」と初めての映画祭参加ということで、どこか興奮を抑えられないといった様子。
公式上映が行われたのは、メイン会場の近隣にある Cinemaxx(シネマックス)。映画は、21時の回、21時15分の回、21時30分の回と、異例の3スクリーンで上映。
595名、278名、300名を終了する会場は全て満席でした。
上映前は監督が来場者にドイツ語でご挨拶。
「今回で5回目ですが、まさかのオープニング作品に選ばれるとは思ってもいませんでした。本当に感謝しています」と映画祭に感謝の意を述べました。
上映後、会場は大きな拍手包まれ、観客席から二階堂&吉沢さんのお二人が登壇すると歓声があがりました。
■観客からの質問
二階堂&吉沢さんへの質問。
今回の役は心理的な部分はもちろんのこと、肉体的な部分でも大変だったと思いますが、役作りの過程を教えてください。
【二階堂】
あまり何か役を特別に作るとか、どういうキャラクターであるかはあまり考えずに、
そのまま映画の撮影現場に行って、同世代の方々と引き出し合いながら形作っていきました。
【吉沢】
現場に入る前に 2回ぐらいリハーサルがあり、作品性について話をしましたが、現場に入ってからは、先ほど二階堂さんがおっしゃった通り、
どう現場で生きるかということを考えていました。
監督からは、演出があったというよりは、生命力を 試されていたな、と思う瞬間が何度もありました。色んな意味でとても刺激的な現場で、試されている現場だと感じました。
■観客からの質問
とても多面的で様々な色合いやトーンのある映画でした。
この映画の中では、世代のギャップがあると思います。
監督は90年代を実際に生きてこられた。
キャストの二人はまだ生まれてもいなかった。
自分が生きた 95年とまだその時代に生まれていない俳優たちの間にあるギャップについてお話ください。
【監督】
僕にとって 90年代というのは非常につまらない青春時代でした。
でも、彼らからすると「よかったんじゃないか」とか、特に二階堂からは「80年代とか90年代って面白そうだよね」って言うんですね。
もうすでに、ここにギャップがありますよね。でも、その20数年後の今を生きている彼らと一緒に映画を作るってことは、
もしかしたら、自分の青春時代を振り返るには一番いい相手だったと思いました。
僕は、いままで常に未来に向けて映画を作ってきました。
この映画は、過去の自分と向き合って作った映画になりました。
なので、僕にとってはいい経験になりました。
【二階堂】
私と吉沢君はちょうど 94年に生まれているので、その95年のテロと地震のことは記憶にはないんですけど、
私たちも青 春時代に別の大きな地震を体験したりしています。90年代に起こった出来事のことは、鮮明には覚えていなくとも、体で 覚えていたり、匂いや感覚がしみ込んでいるものがあります。
【吉沢】
僕も1994年に生まれて、その90年代の記憶はほぼありません。
こういった作品とかで、90 年代の話に触れて、90年代を知ることのほうが多いです。
ただ、この作品で言うと、 ファッションや話題は異なりますが、
根本的な部分は今の人たちと 90年代の人たちの間で違いはないと思っています。
この作品は 90 年代の若い高校生の話ですけど、はけ口というモノが90年代と今で変わっただけだと思ってます。
90年代はドラッグやセックス、暴力だったのが、現代ではSNSになったりして、はけ口の幅が拡がったりとか方向性が変わっただけで、
根本にあるものはなんら変わっていないと思いながら、僕はこの映画作りに参加していました。
世界で初めて上映され、観客の反応に手ごたえを感じた様子だった3人。
パノラマ部門に出品された作品は観客賞、国際批評家連盟賞などの受賞対象とされており、発表は現地時間の24日を予定しています。
名古屋での先行上映では?
また、ベルリンに発つ直前、
2月12日(火)は行定勲監督、二階堂ふみさん、吉沢亮さんが登壇しての名古屋先行上映舞台挨拶がTOHOシネマズ名古屋ベイシティにて開催。
始まる前に、二階堂さんが楽屋にはいってくるなり司会のわたしのそばにわざわざ来てくださり、
「こんばんは、二階堂ふみです、今夜はよろしくお願いします」と挨拶をしてくださった。なんという礼儀正しい人なんだろう。
と思った瞬間、くしゃっと顔中で笑った。女優としてはもちろんでしたが、人間・二階堂ふみファンになりました。
雑誌CUTiEで1993年から94年にかけて連載された岡崎京子の代表作「リバーズ・エッジ」。
その時代の若者の欲望と孤独、日常への違和感を鮮烈に描き出したいまや、神格的な漫画で、あの時代の実体感のなさにヒリヒリしながらなん度も読み返しました。
変わりばえしないまま続く、出口の見えないトンネルのような日常の中、セックスや暴力などを自分の体を通して、何かをつかもうともがく若者の物語。
この作品には長い道のりがありました。
二階堂ふみさんが、「ヒミズ」を撮影していた16歳の時に初めて読み、その半年後にオファーがきたが映画の企画がボツになってしまう。
主人公ハルナ役を演じたく、この漫画を映画化したくて
しかも10代のうちにやりたいと焦り自分で働きかけていたそうです。
20歳になり、最後のチャンスに行定勲監督に出会いこの名作が生まれたのです。
原作を実に忠実に映像化していますが、注目して欲しいのは、
物語の途中でインタビューカットがはいるという画期的な演出をしています。
たとえば、ハルナを演じている二階堂ふみにハルナとして、監督がインタビューをしているのです。
すると彼女たちは役のキャラクターになりきって、話し始めるのです。
舞台挨拶では、このインタビューシーンのことを聞きました。
今の(高校生)感情を話すのですが、ときおり監督が「生きていて楽しい?」など深い部分をえぐらないと答えられない質問をぶつけたりするので、自分自身の考えなのか、演じているからでてくるのか、自分と役が交じってしまったと、お二人。
しかし、原作にはないインタビューカットのおかげで役と共存できたとも。
このシーン、ベースはあれどほとんどアドリブだそうです。役者って改めてすごいと思った。
最後に監督が、
心の感情まで、説明する映画がおおすぎる!そんなんじゃ映画じゃないんだよと、
今の映画界にも喝をいれた。おっしゃるとおり!
どの時代でも16歳はかわらない。誰もが経験した普遍的なテーマを、極力台詞をおさえてあふれ出る感情をえぐり出していくとても映画的な作品です。
リバーズ・エッジ
監督:行定勲
原作:岡崎京子
脚本:瀬戸山美咲
キャスト:二階堂ふみ 吉沢亮 上杉柊平 SUMIRE 森川葵 土井志央梨
製作年2018年
公開日2018年2月16日
製作国 日本
配給 キノフィルムズ
上映時間 118分
映画区分 R15+
EVENT DATA
松岡ひとみのシネマレポートvol.02 映画「リバーズ・エッジ」 ベルリン国際映画祭リポート
- 期間
- 2018年2月16日 全国ロードショー
- 場所
- TOHOシネマズほか
- 金額
- 映画鑑賞料金は、施設により異なります。
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